MBTI、男性と女性、そして4つの論理的発達段階
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こんにちは、MSID研究所の斉木です。 これは、私のコンサルテーションを1年以上続けて受けている方やパーソナルデザイン塾の塾生に向けて投稿したものだ。またこれは、統合的な視点でものごとをとらえようと試みてきた人たちの研究を、できるだけわかりやすく伝えることを主な目的としている。

男性性と女性性には基本的な概念がある。

  1. タイブそれ自体にかかわるもの。
  2. タイプの一例としての男性性や女性性にかかわるもの。
  3. タイプとはどのような段階や状態にも実際に現前し得るもの。

たとえば、よく使われる類型論にMBTI という理論がある。

MBTIとは、ユングの心理学的類型論(Psychological Types)をもとに、1962年に米国のブリックス(Briggs,K)とマイヤーズ(Myers,I)によって研究開発された、人と人との違いを知ってお互いに尊重しあうことを目的に作られた、類型論に基づいた、自己理解メソッド。ユングの類型論の指標(内向:I‐外向:E、感覚:S-直観:N、思考:T‐感情:F)に、判断的態度:Jと知覚的態度:Pという独自の指標を加えて、4指標16タイプで性格を考える。ーWikipedia

主な類型は、感情、思考、感覚、直観だ。

そして、どの発展段階のどのタイプにもなり得る。

これらの「水平的な類型論」は、レベルやラインや状態と結びつけば、非常に有用なものとなる。

とウィルバーは云っている。

問題点を示すために、「男性性」と「女性性」をとりあげてみよう。

キャロル・ギリガンは、その非常に影響力を持った著書「もうひとつの声」(川島書店 1986年)において、男性も女性も3つ乃至4つの主要な倫理的発達段階を経て成長する傾向にあると述べている。

キャロル・ギリガン(Carol Gilligan, 1937年11月28日  ):アメリカ合衆国のフェミニストで倫理学者、そして心理学者で、ローレンス・コールバーグとともに倫理的なコミュニティや倫理的社会についてともに仕事し、また彼を批判したこと、倫理学における主体-客体問題でよく知られている。ーWikipedia

4つの論理的発達段階

  1. 前‐慣習段階
  2. 慣習段階
  3. 後‐慣習段階
  4. 統合段階

これはウィルバーたちが使っている3つのシンブルな発展論的段階に非常によく似たものだ。

キャロル・ギリガンはこれを倫理的知性に適用している。

ギリガンは、段階1が、完全に「私」を中心にしていることを発見した。

1、前‐慣習段階は、自己中心的だ。

段階2は、「私たち」を中心としている個人のアイデンテイティは拡大し、自分の所属するグループの他の人を含むようになる。

2、慣習段階は自民族・集団中心的であり、伝統的、体制順応的だ。

段階3に到ると、アイデンティティは再び、「私たち」から「一切衆生にまで」拡大する。

3、後‐慣習段階は世界中心的だ。

こうして、あらゆる信条をこえ、すべての人間に対して思いやりや同情の心を抱くようになる。

4、段階4、統合段階に進む。

ギリガンは、女性もまた男性と同じように3つないし4つの主要な階層的段階を経て成長するとしている。

女性は違ったカタチで段階を通過する

女性の場合は、それぞれの段階を異なったタイプの論理を用いて通過するとギリガンは主張している。

女性は「もうひとつ声」によって成長することを示している

男性女性
エイジェンシー(自律性)に従う傾向コミュニオン(共同性・交流性・感応性)に従う傾向
規則に従う関係に従う
見る触れる
個人(主義)へ向かう女性は関係性へと向かう
  • 男性の論理や声は、自主性、正義、権利に基づく傾向を持つ。
  • 女性の論理や声は、関係性、思いやり、責任感に基づく傾向を持つ。

ギリガンは次のような話をしている。

小さな男の子と女の子が遊んでいる。

男の子は言う。

「海賊ごっこしようよ!」

女の子は言う。

「お隣さんごっこをしましょう」

男の子「いやだ、海賊ごっこがいい」女の子「それなら、お隣同士に住んでいる海賊ごっこをしましょう」

男の子は、野球などの試合をやっているとき、女の子がそばにいるのを嫌がる。

なぜなら、このとき2つの声が、ひどく、ときにはおかしなほど衝突するからである。

男の子が三振して、アウトになる。

そこで、彼は泣き出してしまう。

他の男の子たちは、彼が泣き止むまで、別に何もしない。

なぜなら、規則は規則であり、その規則とは三振すればアウト、というものだからだ。

もし女子がそこにいれば、大概はこういうだろう。

「いいじゃない、もう一回、やらせてあげなさいよ!」

女の子は、男の子が泣くのを見て、助けてあげたい、関係したい、癒してあげたいと思うのである。

しかし、これが男の子には頭にくる。

彼らは、野球の試合によって、規則と男性の論理の世界への入門儀式を行っているからだ。

ギリガンによれば、

  • 男の子は、規則を保つためには感情を傷つけても仕方がないと考える。
  • 女の子は、感情を傷つけないためには、規則を破っても仕方がないと考える。

としている。

女性の成長プロセス

このように異なったカタチで、少年も少女も3ないし4の倫理の発達段階、自己中心的、国民族・集団中心的、世界中心的、統合の各段階を経て成長する。

ギリガンは、このような女性の成長プロセスを下記のように表現している。

  1. 利己的段階
  2. 思いやりの段階
  3. 普遍的な思いやりの段階
  4. 統合段階

なぜギリガンは、これらの段階を階層的と表現したのだろうか?

それぞれの段階が先行する段階よりも、慈悲と気遣いの点でより大きな力を持つからだ。

最終的な到達点

最終的な到達点である段階4とは?

ギリガンは、この第4段階を倫理の最高次の段階だと言っている。

この段階において、私たちの中の男性の声と女性の声が統合されると言っているのだ。

しかし、この段階に至った個人が、性の区別を失い中性的で無性別的になるということではない。

むしろ、男性性と女性性の次元は、この段階においてより強化されると言っている。

では、この段階が意味していることは?

それぞれの個人に内在している男性性の様態と女性性の様態に、よりなじむようになるということだ。

医療シンボルの事例

ケーリュケイオン

引用元:wikipedia

医療のシンボル「ヘルメースの杖(ケーリュケイオン)」をご覧になったことがあると思う。

絡み合った蛇が交差する点はチャクラで、それが脊髄を基底部から頭頂部まで上昇していくフォルムだ。

2匹の蛇は、それぞれのチャクラにおける太陽と月のエネルギーを表している。

太陽は男性のエネルギーで、月は女性のエネルギーという意味だ。

そして、その交差点は7つある。

模造したもので7つないものもあるが・・・

この7つのチャクラは、先に示した3段階をより複雑に変形したもので、本来人間が獲得可能な7つのレベルの意識やエネルギーを表している。

なぜ、7つのチャクラを3段階に括るとすると下記のようになる。

  1. 食物、性、力のチャクラ⇒1段階
  2. 心とコミユニケーション⇒2段階
  3. 心霊、スピリチュアル⇒3段階

そして、7つのそれぞれのレベルが、男性性と女性性の相やタイプや「声」を持つ。

つまり、男性性と女性性のどちらかが高次で優れているわけではなく同などということが分かる。

同じレベルの意識の異なったタイプというわけだ。

このように、同じチャクラにおいて男性版と女性版があるのだ。

例えば、男性は自律性の力を行使する傾向を持ち、女性は共同性、社会性の力を行使する傾向を持つ。

こうした傾向の違いは、どのチャクラにおいても存在する。

どちらかが優れているわけではないが、無視していいというものでもない。

第7のチャクラで男性性と女性性の蛇は統合される。

これが、ギリガンが倫理的発達の段階4の統合段階において発見したことだ。

統合の段階

つまり、それぞれの個人のなかの2つの声は、この段階において統合される。

  • 自主性と関係性
  • 権利と責任
  • 自律性と共同性・交流性・感応性
  • 知恵と憐れみ
  • 正義と慈悲
  • 男性性と女性性

一見矛盾しているかのような声がここで統一されていく。

ウイルバーが言うように、大事なポイントは、IOSを使うことによって、自分、他者、組織、文化など、ありとあらゆるシチュエーションにおいて自動的にチェックし、男性性と女性性をできるかぎり包括的に含み込んでいるか確認できるということだ。

IOSのフィルターをとうして視た時、男性性と女性性に大きな相違はなく、そうした相違はむしろ疑わしいものとして映る。

男性性と女性性をどのように見たとしても、双方の起点に確実に触れることになるからだ。

これら多くの「水平的な類型論」を必要とする時、包括的なIOSゃ統合的アプローチが役に立つ。

とウィルバーは主張している。

ではまた。⇒

主な引用元:インテグラル・スピリチュアリティー(ケン・ウィルバー著・松永太郎訳)

 

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