ライフデザインにあらかじめ組み込んでおいた方がいいと思うこと!?

今回はライフデザインの要、主にキャッシュフロー(お金が流れる仕組み)との関係性について解説します。

将来のキャッシュフローには、プラスキャッシュフローとマイナスキャッシュフローがあり常に変動しています。

たとえば、事故や病気などによる出費はマイナスキャッシュフローに該当します。

これらをキャッシュフロー・リスクと呼んでいます。

※なおキャッシュフローの詳細については「キャッシュフローデザイン」をご参照ください。

生産能力が収入に直結する時代のライフデザインについて

ライフプランを作成する前段階のデザインが重要

経済が成長している時代、いわゆる高度成長期などには、企業の賃金推移を参考にして、ある程度の昇給額の見当が付きました。

そこから将来のキャッシュフローが推測でき、年齢に見合った将来設計もある程度可能でした。

しかし、成果主義賃金へシフトされた今日の成熟経済社会では、その人の持つ生産能力が収入に直結します。

当然ながらキャッシュフローもそれに伴なって大きく変動します。

つまり、ライフデザインに生産能力を向上させる習得目標をあらかじめ組み込んでおく必要があると思います。

しかしながら、自己投資によって能力向上が必ずしも約束されるわけでもありません。

選択した資格や教育が、素質や思考プロセスとマッチしなと、なかなか身につかないからです。

理解できない、素養に即さないものは、腑に落ちない部分が多いので身につき難いのです。

しかし、確実に能力を向上させ、実際に生産性の高い人材にならなければ、将来のプラスキャッシュフローを増大させることはできません。

ですから、その前段階である「素質と類似性に即したアプローチ方法や実行計画を立てる」必要があります。

その重要な部分が抜け落ちているのでうまく行かないことが多いのです。

こうした時代背景とともに、的確なライフデザインが重要視されるようになったわけです。

的確なライフデザインが、個々の能力を素早く確実に向上させ、大きなキャッシュフローを生み出すことが実証されているからです。

労働とキャッシュフローは別物

特に最近では、真面目に仕事をしても報われないことが多いようです。

真面目かどうかではなく、生産能力によって評価される傾向がより強くなってきたからです。

将来のキャッシュフローは、その個人の能力次第でプラスにもマイナスにも変動するわけです。

短期的には確実だと思えることでも、中長期的な視点に立った場合は不確実性が増加するということでもあります。

年功序列賃金制度の職場であれば、比較的安定した賃金を受け取ることができます。

しかし、成果主義賃金制度の職場ではキャッシュフローの変動幅はより大きくなります。

また、企業が永遠に存続する補償もありません。

3年後に今の勤務先が消滅するということもありえるわけです。

実際に私自身もそのような事態に見舞われたことがあります。

キャッシュフローの変動要素を考慮してライフプランや収支シミュレーションを行うだけでは不十分です。

成果主義の社会で生き抜くためには、より生産性の高い人材にならないと厳しいわけです。

人的資本をライフデザインに組み込むときの注意点

あなたの労働能力は将来の収入を生み出す源泉です。

人的資本は労働市場で賃金や雇用条件という形で評価されます。

こういう言い方をすると実にクールに聞こえますが、それが事実です。

年功序列型賃金が主体だった時代には学歴・業種や経験年数、企業ごとの賃金カーブなどでほぼ確定され、安定したキャッシュフローがある程度見込めました。

しかし、成果主義賃金制度が浸透していくにつれ、個々の能力によってキャッシュフローの状態が大きく変わったわけです。

さらに、会社組織の不透明性、指示形態が煩雑になり生産性が減退すれば、プロ集団へのアウトソーシングが増え、会社組織が脆弱化し、雇用形態がさら変化していくことも考えられます。

あなたが起業家なら、そこに多くのチャンスが生まれる可能性も高いのでまんざらでもないでしょう。

起業や副業を試みる相談者が増加している。

それもそのような世相を反映してのことでしょう。

しかし残念ながら、起業して成功する人よりも、1年もたたないうちに撤退してしまう人が方が多いようです。

起業は非常に簡単ですが、継続はその何十倍も難しいからです。

起業する方法は教えられても、長く続投できる方法を教えられる人が少ないのも大きな要因です。

人的資本の考え方はライフサイクルと人的資本をこちらでも考え合わせて資産運用を考える必用があるのなかでも解説していますので合わせてご覧ください。

ライフステージごとのポイント

例えば、誕生から相続までのプロセスを分けるとすると、次のような4つの分類になるでしょう。

誕生・成長期

  • 経済的には親に依拠して労働力の形成を行う時期

将来の経済的自立にあたり、ファイナンスも学習の一部に加え、それらを応用・適用させる能力を同時に身に着けておくといいでしょう。

自 立

  • 自分の資産形成と子供たちの労働能力形成の援助を行う時期

包括的なライフデザインを創造し、その中で教育資金、住宅資金などを計画するとともに、資産運用、リスク軽減の計画もプラスしておくといいでしょう。

老 後

  • 自分の有形資産+公的年金などでキャッシュフローをカバーする時期

包括的なリタイアメント・デザインを創造し、老後に見合った資産運用、リスク軽減を計画するとともに、健康を維持する計画も忘れないようにしましょう。

※起業家の場合は、収入計画もリスクに関する考え方も異なります。

それについてはキャリアデザインのカテゴリーを参考にしてください。

相 続

  • 資産を次世代へ継承していく時期

相続や事業承継の計画を立てておきましょう。

物的資産は相続税法に基づき評価され、税引き後の資産が時価評価されて次世代に継承されます。

したがって、タックスプランをいかに行うかがポイントです。

また、物的資産のみならず、無形資産(思想など)の継承についても考えておきましょう。

※起業家の場合は、事業継承次第でキャッシュフローバランスが大きく変わります。

※相続については「相続プラン」「タックスプラン」のカテゴリーを参考にしてください。

さいごに

経済が成熟するに従って、これまでの一連の制度が不安定化し、直接金融への志向、貯蓄から投資への志向が強まる中で、個人はより一層、明確な自己責任による意思決定を迫られています。

限られた時間の中で限られた資産とキャッシュフローを適切に配分し、人生設計上の目的を実現していくためには、その選択と意思決定がとても重要です。

それと同時に、個人の金融資産がどのように貯蓄され、投資され、使われるかは国や自治体、あるいは企業に大きな影響を及ぼし、強いては日本経済に大きな影響を及ぼします。

それだけにファイナンスに関する選択と意思決定には社会的責任が伴います。

そうした要因(選択と意思決定)もライフデザインに組み込んでおく必要があるでしょう。

それではまた。。

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