バランスシート

パーソナル・バランスシートとライフデザイン

パーソナル・バランスシートとは一定時点における個人の資産と負債の状況を表したものである。

年間キャッシュフロー報告書とキャッシュフロー表を作成することにより、年次ごとの現金収支は把握できるが、資産・負債の概要を把握することは難しい。

主だった資産が金融資産のみという家庭の場合、キャッシュフロー分析だけでも事足りるだろう。

しかし、不動産や株式などを取得しており評価損がかなり出ている家庭や、住宅ローンなど多額の負債を抱えている家庭の場合、キャッシュフロー表だけでは問題点が発見できない可能性がある。

また資産のポートフォリオ分析にはバランスシートが不可欠である。

そこで個人の場合にも、資産と負債の額を示す「バランスシート」を作成し、資産全体の見直しを図るツールにするとよい。

1,バランスシートの構造と分析

1-1,基本構造

バランスシートは次の式からなる。

(総)資産=負債+純資産、または、純資産=(総)資産―負債

個人の場合、法人と異なって出資による資本はないので、資産から負債を引いた残りがプラスであれば純資産となる。

この純資産に対して資産を総資産と呼ぶ。またその残りがマイナスであれば純負債となり、資産と負債のバランスがとれていないことを意味する。

資産のほうが多い場合

資産 負債及び純資産
負債
純資産
資産合計 負債と純資産の合計

負債のほうが多い場合

資産及び純負債 負債
資産
純負債
資産と純負債の合計 負債と純資産の合計

1-2,資産のポートフォリオ

資産は、現金・預金、株式・債券。投資信託、土地、建物、キャッシュバリューのある生命保険、個人年金、確定拠出年金、その他というさまざまなアセット(資産)クラスからなっている。

これらのアセットは利子や収益などのインカムゲイン、売却益などのキャピタルゲインといったキャッシュフローを生む。

これらの資産の組み合わせをポートフォリオと呼び、具体的には次の3つのポートフォリオが考えられる。

①総資産ポートフォリオ

すべてのアセットクラス全体の組み合わせ

②マネーポートフォリオ

現金・預金と株式・債券・投資信託等の組み合わせ

③証券ポートフォリオ

株式・債券・投資信託などの組み合わせ

バランスシート

資産 負債及び純資産
現金等

  • 現金
  • 預金
  • 生命保険(現金価値)

投資資産

  • 株式
  • 国債
  • 投資信託
  • 確定拠出年金
  • 変額年金

使用資産

  • 住宅・土地
  • 自動車
  • 家財
負債

  • クレジット・カード
  • 自動車ローン
  • 住宅ローン
負債合計
純資産
資産合計 負債と純資産の合計

 

 

1-3,バランスシート作成上の留意点

①バランスシートの構成

バランスシートを構成する項目に決まりはなく、自由に構成してよい。

1つの方法としては、法人のバランスシートのように1年以内に換金できるものを流動資産・流動負債、1年を超えるものを固定資産・固定負債とする考え方がある。

もう1つは、図で示したように米国で広く使われている方法で、資産を以下のように3つに分けるものである。

a)現金等

現金及び現金等価物であり流動性のある資産である。

現金預金のほかに、養老保険・個人年金などキャッシュバリューがある生命保険がこれに属する。

この一部が「不時の出費」すなわち緊急資金に充てられる。

b)投資資産

文字どおり投資用の資産である。

株式、債券、投資信託、確定拠出年金、変額年金などがこれに該当する。

変額年金でも流動性のあるものは、場合によっては現金に分類することもできるし、逆にキャッシュバリューのある外貨建て個人年金を投資資産とすることも可能である。

また人に貸す賃貸アパートがあれば、投資資産に入れることができる。

c)使用資産

これは実際に生活に使う資産であり、住宅・土地や自動車そして家財などが該当する。

しかし将来住宅を買い換えるということがあれば、投資資産としての位置づけも考えられる。

また負債については、クレジットカードのキャッシング残高も流動負債として負債に入れることが必要である。

②資産評価

バランスシートにおける資産評価は時価評価が原則である。

特に次の資産評価に留意する必要がある。

  • 土地などの不動産:近隣の取引事例などにより時価を求める。
  • 生命保険など:養老保険、終身保険、個人年金保険など資産性のある生命保険などについては、解約した場合の解約返戻金つまリキャッシュバリューを時価とする。
  • 株式など:評価日の終値また、中高年者の場合は、資産の相続税評価も行い、相続税額を試算しておくことも重要である。

1-4,負債の意義

返済可能な範囲の負債は資産形成の原動力の1つとなりうる意義を持っている。

負債から生じる元本返済と利息支払いというマイナスのキャッシュフロー全体を上回る資産形成が可能かどうかを判断し、資産と負債のバランスをとることが重要である。

この判断にあたっては個人の将来キャッシュフローの見通しを慎重にシミュレーションし意思決定することが求められる。

1-5,バランスシートの分析と見直し

個人のバランスシートの分析にあたっては、顧客のライフプランとリスク許容度を前提にしながら、資産の換金性、安全性、収益性がどのようになっているかという視点から、次の点をチェックする必要がある。

①ライフプラン上の目標達成に見合った構成になっているか

②預貯金が多すぎないか

元本保証の安全性を重視するあまりに収益性が軽視されている場合がある。

また、インフレや円安といった貨幣価値の変化に対応しきれない可能性がある。

③不動産の割合が大きく資産価値が減っていないか

デフレや土地価格の二極分化的傾向の中で、所有不動産の資産価値が下落したり、換金性、収益性が乏しくなっているケースがある。

④株式などが多すぎないか

収益性を重視するあまりにリスクをとりすぎて安全性が軽視されている場合もある。

⑤リスク分散がされているか

預金保険機構による預金の定額保護に対応した預金の分散、株式・債券・不動産というアセットクラスヘの国際分散などの状況を確認する。

⑥相続による遺産分割を意識した資産構成になっているか

中高年者の場合は、公平な遺産分割を可能とする資産構成になっているかを確認することも重要である。

2,バランスシートの例

モデルケースを使って「バランスシート」を作成してみよう。

【モデルケース】

家族構成
  • 夫 (44歳)会社員
  • 妻 (40歳)専業主婦
  • 長男(13歳)中学1年生
  • 長女(11歳)小学5年生
税引き前年収
  • 500万円
妻の収入
  • 72万円
保有資産(平成25(2013)年12月31日現在)
  • 現預金 220万円
  • 一般財形 50万円
  • 株式投信 30万円 (平成20(2008)年購入 取得価格50万円)
  • 自宅(土地) 1,000万円 (平成14(2002)年相続で取得)
  • 自宅(建物) 1500万円 (平成20年建築 取得価格2000万円)
  • 自動車など loo万円
負債
  • 住宅ローン残債 1700万円
  • 自動車ローン60万円

2-1,バランスシート化

資産 負債及び純資産
現金等      270万円

  • 現預金    220万円
  • 一般財形    50万円

投資資産      30万円

  • 株式投信   30万円

使用資産    2600万円

  • 自宅(土地)  1000万円
  • 自宅(建物)  1500万円
  • 自動車など   100万円
負債

  • 住宅ローン 1700万円
  • 自動車ローン 60万円
負債合計    1760万円
純資産     1140万円
資産合計      2900万円 負債・純資産合計 2900万円

金融資産300万円、不動産2500万円、その他100万円の資産の中でキャッシュフロー表の貯蓄残高に出てくるのは300万円の金融資産部分だけである。一方の負債は、年次ごとの支出として表れてくるがキャッシュフロー表だけでは把握しづらい。

このモデルケースの場合は、バランスシートを作成することによって、金融資産300万円よりも純資産1140万円のほうが多くなっていることがわかる。

この大きな要因は、相続で取得した土地(評価額1000万円)の存在が挙げられる。

建物部分だけを見ると、評価額1500万円に対して住宅ローンの残債が1700万円と、負債のほうが大きい状態になっているため、若干なりとも注意すべき状態にあると考えられるが、土地部分も含めた不動産の評価額(合計2500万円)に対する。

負債1700万円というのは、今後の不動産評価額の大きな下落がない限り、それほど大きな問題になるとは考えにくいだろう。

従って、このモデルケースの場合は、早期に見直しが必要だと判定されるほどのバランスシートの状態ではないといえる。

あえて問題点を挙げるとすれば、資産に占める不動産の割合が高い点や、金融資産における預貯金の割合が高い点などが挙げられるだろう。

一般的に、バランスシートに映し出される問題点として、以下のようなものが考えられる。

①資産の内訳に偏りがある(預貯金の比率が大きすぎる、利殖性商品の比率が大きすぎる、ほとんどが不動産など)。

②負債額が大きく、純資産がそれほどないかマイナスになっている。

例えば、以下のような数年前にマンションを購入し、教育費などの支出の増加によって貯蓄があまりないようなケースでは、純資産がほとんどゼロに近いか、マイナスになってしまっているケースが多いのも現実である。

資 産 負債及び純資産
現金等     150万円

  • 現預金    150万円

使用資産    2100万円

  • マンション  2000万円
  • 自動車など  100万円
負債

  • 住宅ローン 2150万円
  • 自動車ローン 80万円
負債合計    2230万円
純資産      20万円
資産合計     2250万円 資産合計    2250万円

このようなケースでは、特効薬のように速効性のある改善方法はないが、貯蓄を増やしていくことと並行して繰上げ返済を実行するなど、少しでも純資産を増加させられるような計画を立てていくことが重要である。

また、自営業者(個人事業主)などに比較的多く見られるのが、ある程度の資産はあるものの、負債も多いため、純資産としてはそれほどの金額はないというケースである。

次のケースのように、それでも純資産がプラスであって、今後新たな借入れをする予定がなく、安定した事業収入も期待できるのであれば、大きな問題はないといえるが、資産合計に対する純資産の割合が低い(4%)ため、繰上げ返済による負債圧縮などを実行し、バランスシートの改善を図るのもひとつの方法である。

改善策実行前

資産 負債及び純資産
現金等             800万円

  • 現預金         600万円
  • MMF        200万円

投資資産         200万円

  • 株式投信        200万円

使用資産          4000万円

  • 店舗兼住宅(土地)    1500万円
  • 店舗兼住宅(建物)   2400万円
  • 自動車など      100万円
負債

  • 住宅ローン   3700万円
  • 事業用ローン  1000万円
  • 自動車ローン   50万円
  • カードローン     50万円
負債合計        4800万円
純資産        200万円
資産合計          5000万円 負債・純資産合計   5000万円

仮に、現預金から400万円、MMFから100万円の合計500万円で、自動車ローンとカードローンを完済し、残りを事業用ローンの繰り上げ返済に充当したとすると、バランシーとは以下のように変化する。

改善策実行後

資 産 負債及び純資産
現金等          300万円

  • 現預金         200万円
  • MMF         100万円

投資資産         200万円

  • 株式投信        200万円

使用資産       4000万円

  • 店舗兼住宅(土地)    1500万円
  • 店舗兼住宅(建物)   2400万円
  • 自動車など      100万円
負債

  • 住宅ローン   3700万円
  • 事業用ローン    600万円

 

負債合計      4300万円
純資産          200万円
資産合計       4500万円 負債・純資産合計     4500万円

この見直しによって、純資産の金額は200万円で変わらないものの、資産合計に対する割合は、4.44%へとやや改善していることがわかる。

自動車ローンやカードローンを完済し、事業用ローンの一部を返済することで、多少なりともキャッシュフローの健全化も図ることができたと考えられる。

バランスシートの見直し方法としては、資産を増やすか負債を減らすかの2つに大別できるが、昨今の運用環境下やデフレ、低インフレ環境下においては、負債を減らすことを優先して検討するのが無難だといえるだろう。

また、単年度のバランスシートを作成した後、それぞれの資産に予想収益率をかけて何年後かのバランスシートを作成したり、連年バランスシート表を作成することは意義がある。それは現状のバランスシートの見直しやポートフォリオの見直しに役立つからである。

例えば次ページの事例は55歳時点のある会社員のバランスシートが、5年後の退職時にどうなるかをシミュレーションしたものである。

55歳時には、現金等が2000万円、投資資産が200万円だが、それぞれ1%と3%で運用されるとする。

生命保険はすべて個人年金で掛金を60歳まで支払うものとする。

また使用資産は全部で2570万円で、すべて3%で資産価値が下落していくものとする。

住宅ローンは返済額の計算をし、5年後には元金が1000万円に減っているとする。

また5年後の60歳時には退職金が手取りで2000万円入るものとする。

これらを計算すると5年後にはバランスシートは変化する。

こうした変化を参考にして、資産運用や住宅ローンの繰上げ返済など、バランスシートの改善の方策をプランニングすることができるようになる。

バランスシート 55歳時

資産 負債及び純資産
現金等         2000

  • 現金          0
  • 預金          1350
  • 生命保険(現金価値)   650

投資資産           200

  • 株式
  • 国債         100
  • 投資信託       100
  • 確定拠出年金
  • 変額年金

使用資産           2570

  • 住宅・土地        2500
  • 自動車          50
  • 家財           20
負債

  • 住宅ローン  1300
  • クレジットカード     0
  • 自動車ローン     0
負債合計      1300
純資産       3470
資産合計        4770 負債と純資産合計   4770
  • 預金 年率1%上昇
  • 国債 年率1%上昇
  • 投信 年率3%上昇
  • 自宅・土地 年率3%下落
  • 自動車。家財 年率3%下落

バランスシート 60歳退職時

資産 負債及び純資産
現金等         4180

  • 現金          0
  • 預金          3420
  • 生命保険(現金価値)   760

投資資産           221

  • 株式
  • 国債         105
  • 投資信託       116
  • 確定拠出年金
  • 変額年金

使用資産           2207

  • 住宅・土地        2147
  • 自動車          43
  • 家財           17
負債

  • 住宅ローン  1000
  • クレジットカード     0
  • 自動車ローン     0
負債合計      1000
純資産       5608
資産合計        6608 負債と純資産合計   6608

 

注:退職金(手取り) 2000万円

3,各種データの活用

3-1,生活設計上の基本的数値の把握

ライフプランを作成していく上で、各種ライフイベントに関する基本的な数値の把握が必要になる。

主な基本的数値としては次のものが挙げられる。

3-1-1,一般的な経済・金融情勢に関するデータ

GDP、GNI、景気動向指数、日銀短観。

鉱工業生産指数、機械受注、建設工事受注、新設住宅着工数。

常用雇用指数、完全失業率、有効求人倍率。

全国百貨店売上高、新車販売台数。

基準割引率及び基準貸付利率(従来の「公定歩合」)、短期プライムレート、長期プライムレート、為替レート。

金価格、家計支出マネーストック、無担保コール翌日物金利、CDレート(新発3カ月物)、新発10年国債利回り。

住宅ローン金利、日経平均株価、企業物価指数、消費者物価指数。

公示地価、基準地標準価格。

厚生年金保険料、国民年金保険料、医療保険・介護保険料

3-1-2,ライフプラン全般に関するデータ

厚生労働白書、国民生活白書

3-1-3,ライフイベントに関するデ-タ

「家計調査」(総務省)、「家計の金融行動に関する世論調査」(金融広報中央委員会)、「子どもの学習費調査」(文部科学省)、「私立大学新入生の家計負担調査」(東京地区私立大学教職員組合連合)、「結婚トレンド調査」(㈱リクルート『ゼクシィ』)、「地価公示」(国土交通省)、「フラット35利用者調査」(住宅金融支援機構)、「高齢者介護に関する世論調査」(内閣府)、「社会福祉施設等調査の概況」(厚生労働省)、「葬儀についてのアンケート調査」(日本消費者協会)

リクルートマーケティングパートナーズの「ゼクシィ結婚トレンド調査2016」によると、2015年4月から2016年3月の間に結婚(挙式、披露宴・披露パーティ)をした人が、結納・婚約から挙式・新婚旅行にかけた総額は平均約470万円。

結婚費用(結納、挙式、披露宴、披露パーティ、二次会、新婚旅行あわせたもの)に対しては約77%の人が親・親族から援助を受けており、その額は平均約189万円。

図表2‐16 結納~婚約。新婚旅行までにかかった費用(単位:万円)

全国・地域別 全国(注2) 北海道 首都圏 東海 関西 九州
総額 469.7 286 500.4 484.2 452.6 466.2
項目別平均額(注1) 結納式の費用 14.2 5.9 15.3 12.8 12.6 13.6
両家の顔合わせ 6.3 5.2 7.1 6.1 6.1 4.9
婚約指輪 35.9 32.1 39.4 37.4 36.5 30.6
結婚指輪 24.3 22.6 25.8 25.7 23.8 22.4
挙式、披露宴、パーティー 359.7 196.0 385.5 361.7 337.4 372.0
新婚旅行 61.6 51.5 64.7 69.7 65.6 52.4
おみあげ 11.2 11.9 9.6 14.4 12.1 10.6

 

注:各項目の平均金額を掲載しているが、これは「結納式の費用」及び「両家の顔合わせ・会場費」については実施

出所<リクルートマーケティングパートナーズ「ゼクシィ結婚トレンド調査2016」>

図表2-17 新生活準備のためにかかった費用 (単位:円)

全国
(推計値)
首都圏 東海 関西
総額 72.3 58.9 71.9 101.4
項目別平均額(注) インテリア・家具の購入総額 40.0 35.0 37.6 52.6
家電製品の購入総額 37.4 30.0 38.7 49.8

注:各項目の金額は費用が発生した人の平均額であり、各項目の平均額の合計は「総額」とは一致しない。

出所<リクルートマーケティングパートナーズ「ゼクシィ新生活準備調査2016」>

図表2‐18 全国の平均的な出産費用について(妊婦合計負担額、全国) (単位:円)

平均値
病院 476,586
診療所 471,761
助産所 448,186
病院、診療所、助産所 473,626

出所:厚生労働省保険局、第40回社会保障審議会医療保険部会資料31「出産育児一時金制度について」(平成22(2010)年10月13日公表)

図表2‐19 金融資産の保有状況(金融商品別構成比)(単位:%)

  預貯金 金銭
信託貸付
信託
生命
保険
損害
保険
個人
年金
保険
    うち
定期
2013 55.0  33.7  0.5 15.9 6.0 2.4
2014 54.1  31.6 0.5 18.0  2.3 5.4
2015 53.2  32.4 1.0 16.9  2.5 5.9
 2016 55.3  31.7 0.5 17.6  2.0 5.7
有価証券 財形 貯蓄 その他
債権 株式 投資
信託
2013 16.9 3.0 8.3 5.6 2.3 1.0
2014 16.8 3.0 8.2 5.7 2.1 0.7
2015 17.7 1.7 8.9 7.0 2.2 0.7
2016 16.1 1.6 9.2 5.4 2.2 0.6

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」(二人以上世帯調査〉(2016年)

3-2,バーソナルデータの重要性

これらの統計数値をしっかり把握しておくことは大切であるが、一般的な経済・金融データは顧客を取り巻く経済・金融環境を示し、ライフイベントデータはあくまでも参考数値を示しているにすぎない。

基本となるものは顧客の個別的・具体的データであり、また顧客の属する会社の企業福祉制度、暮らしている地方の消費支出状況、その時点の経済情勢などを、顧客のライフプランを土台に勘案していくことが大切である。

4,ライフプランのための諸制度活用

自分で立てたライフプランを実現していくためには、

  • ①国・自治体、
  • ②企業・労働組合、業界団体など、
  • ③民間金融機関

といった3つのレベルの諸制度や金融商品などを活用することが重要である。

まずは国の諸制度、例えば公的年金制度や公的医療保険制度などをよく学習し、活用法を考える。

国の制度の場合は、宣伝をそれほどすることがなく、また自分から申請しないと利用できないものが多いので、よく制度を把握し、自分から活用することが大切である。

また自治体にも乳幼児医療費助成制度などさまざまな制度があり、活用できる。

さらに企業には、財形貯蓄制度やカフェテリアプラン、団体定期保険や確定拠出年金などの諸制度があり、これらも上手に使いこなしていくことが求められる。

さいごに

ライフプラン上の資金目的と諸制度の事例

テーマ 国・地方自治体など 準公的機関 企業
労働組合
共済会
業界団体
民間金融機関
貯 蓄 財形貯蓄(二般財形・財形住宅・財形年金)。住宅積立貯蓄・財形奨励金など 自動積立定期各種預貯金
運 用 持株会・ストックオプションなど 株式・債券・投資信託など
住 宅 サービス付き高齢者向け住宅 社宅・寮、家賃補助・住宅手当
結 婚 結婚祝金
出 産 出産育児一時金、出産手当金 出産祝金
育 児 育児休業給付・児童手当・児童扶養手当・母子(父子)家庭医療費助成 育児休業制度
融 資 自治体融資(住宅など) 財形住宅融資 社内住宅融資・住宅融資利子補給制度・緊急融資など 住宅融資ほか各種融資
教育・学資 育英資金・母子福祉資金 日本学生支援機構 大学奨学金 学資保険・こども保険
失 業 雇用保険(基本手当など)
年 金 老齢基礎年金
老齢厚生年金
退職共済年金
国民年金基金
中小企業退職金共済
特定退職金共済
小規模企業共済
厚生年金基金・規約型企業年金・基金型企業年金・確定拠出年金(企業型・個人型)・団体年金共済・退職一時金など 定額個人年金・変額年金・ハーフタックスプランなど
死亡保障 遺族年金・労災(遺族給付など) 団体生命保険・団体生命共済・弔慰金・埋葬費など 定期保険
終身保険
生命共済など
医療保障 健康保険・国民健康保険・後期高齢者医療制度・労災(療養給付など)・乳幼児医療費助成など 健康保険組合付加給付・団体医療保険・医療共済・お見舞金・差額ベッド代補助など 医療保険・医療特約・がん保険・医療共済など
傷害補償 障害年金・労災(障害給付) 団体傷害保険 傷害保険
介護保障 介護保険・雇用保険(介護体業給付) 介護休業制度・団体扱介護費用保険など 民間介護(費用)保険
所得補償 健康保険(傷病手当金)・労災(体業給付) 団体所得補償保険 所得補償保険

ではまた。

この投稿はNPO法人日本FP協会CFPカリキュラムに沿って記述しています。

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